こんにちはピートです。皆様の勤めている会社では「税効果会計」を取り入れているでしょうか?
零細企業ではそこまで重要視されないかもしれませんが、一定の規模の会社では必ず認識する必要があると思います。
また、税効果会計はあくまで会計の話なので会計士(監査法人)が得意分野になると思いますが、税理士も比較的馴染みの深い分野だと考えています。
「税」効果会計なので、税金の仕組みが分かっていないと難しい分野となります。
監査法人内の若手の会計士の中には、理解できていない人もちらほらいました。
僕は事業会社の経験も多いので、以前より税効果会計には深く関わってきました。今回はそんな僕が愛用している税効果会計の書籍を紹介しようと思います。
書籍
感想
big4の一角である「EY新日本有限責任監査法人」が執筆している書籍なので安心感が個人的にあります。
また、内容は初心者には難しいと思いますが、一定の知識と経験がある人にとっては、税効果会計に関する多くのことが網羅されているので、この一冊を持っていればほとんどの事項は解決すると思っています。
さすが大手監査法人が執筆している書籍だけあって、とても読みごたえがあります。
大きな会社の場合は、大手又は中堅監査法人の監査を受ける必要がある関係上、以前から税効果会計の分類検討などを緻密に行っていると思います。
そのような会社の場合は、マニュアルや業務手順書がしっかり備え付けられていると思うので、イレギュラーな事項が無い限りは困ることは少ないと思います。
ただ、僕の今の職場は中小監査法人が監査を行っているのですが、税効果会計のチェックがザルです。仮に監査法人を変えた場合に、大きく数字が変わってしまう可能性があるので、「会社分類」から検討して誰が見ても問題ない数字を算出するようにしました。
そんな状況の中では、この書籍は「設例」や「条文」が充実しているので監査法人の説明にとても役に立っています。
この書籍をPDFにして、監査法人へのエビデンス資料として使ったりもしています。
- 会社分類の説明が豊富で分かりやすい
- 設例が多く具体的な数字を用いて理解可能
- 退職給付に係る負債など個別事項もある程度網羅している
この中で特に、「会社分類」の説明がこの書籍の特徴だと僕は思っています。会社の状況は変わるので、会社分類は毎年検討すべき事項だと思いますので、この書籍が手元にあればとても役に立つと考えています。
- グループ通算制度(旧連結納税制度)における税効果会計の説明が少ない
- 組織再編及び支配関係時(連結会計)における税効果会計の説明が少ない
グループ通算制度に関しては、この書籍が少し古いものなのでしょうがないと思いますが、それでも連結納税に係る税効果会計の説明も少なかったのでそこが少し不満です。
また、組織再編などにおける税効果会計の説明も少なく、連結会計時の時価評価に係る税効果などもありませんでした。
これらの解説を詳細に見たい場合は、別の書籍を購入することをお勧めいたします。
個人的な評点(100点満点)
初見で新たな発見があったか? 70/100点
頻繁に読み返す機会があるか? 95/100点
初心者にお勧めできる書籍か? 40/100点