【レビュー】8.「収益認識会計基準と税務」完全解説(太田達也著)

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レビュー

 こんにちはピートです。皆様の勤めている会社は「収益認識会計基準」を検討していますでしょうか?日本の会社は2022年度決算から採用しているかと思います。

ピート
ピート

有価証券報告書を確認すると、会計基準の変動などに明記されていますよね。

 さて、僕の職場でも顧問先でも検討及び適用をしているのですが、解釈がとても難しいですよね。僕は「建設業」の収益認識会計基準を検討する上で以下の書籍を購読しましたので、皆様に紹介いたします。

書籍

感想

 著者の太田達也先生はとても有名な先生です。公認会計士及び税理士であり、会計にも税務にもとても精通している先生です。また、セミナーも頻繁に行っていて僕も何回か出席したことがあるのですが、個人的にはどの講師より分かりやすく勉強になります。

ピート
ピート

太田先生はEY新日本有限責任監査法人に所属しています。

big4の一角ですので安心感もありますね。

 この書籍は平成30年10月に初版版が発行されているのですが、改訂版も発行されています。僕は最新の改訂版(令和4年6月発行)を購入しました。直近に改訂しているので安心ですね。

 内容ですが全ての論点を網羅的に記載しています。収益認識会計基準関連の書籍では、会計のみ触れれているものや税務に関して触れているが役に立たないものもありますが、この書籍は税務に関してもある程度記載しているので安心です。

 合わせて「開示」に関しても触れているので、この一冊で収益認識会計基準に関して対応することができると考えます。

満足点

「業種別の論点」が記載されていて分かりやすい

会計、税務及び開示に関して網羅的に記載されている

適用初年度の遡及適用なども記載されている

・「設例」が多く理解が進みやすい

 僕は収益認識会計基準に関しては、税務通信やセミナーなどの資料で知識を得ていたので恥ずかしながらこれ以外の書籍を購入していません。ですが、この書籍があればよほど難解で複雑な論点が発生しない限り問題ないと思います。

ピート
ピート

上場企業は監査法人と協議して検討すると思うので、ある程度の知識があれば問題ないと思います。

不満点

建設業における収益認識会計基準の適用初年度の「法人税」の処理の注意点の記載なし

建設業における収益認識会計基準適用における「消費税」に関する記載が少ない

 これに関しては僕が「建設業における収益認識会計基準」を検討していたという理由があります。そもそも、建設業に特化した書籍を購入すればもう少し丁寧に明記されていたかもしれません。

 例えば、適用初年度で前期以前に着工していた工事は会計上は「収益認識会計基準における進行基準」で処理したとしても、法人税法上は「工事完成基準」で処理することになります。これを事前に把握しておかないと後で気づいても苦労します。

 というのも、会計用の「進行基準データ」と法人税法上用の「完成基準データ」を準備する必要があるので事前の準備が重要になってくるわけです。

ピート
ピート

とくに工事数が多い会社は、しっかり事前に準備しておく必要がありますね。

 また、会計上「遡及適用」をしていた場合は別表5(1)の期首繰越欠損金を修正する必要があります。それに関する事例も明記しているのですが、建設業の事例はなかったのでそこも明記してくれていると助かりました。

 消費税に関していえば、収益認識会計基準の適用により「建設業」において注意すべき論点はほとんどありません。ですので、僕にとっては十分なのですが、例えば適用初年度の注意点などを記載してくれると嬉しかったです。

ピート
ピート

適用初年度の処理に注意が必要ですからね。

 以上です。僕にとっては値段以上に価値のある書籍でした。皆様も収益認識会計基準を網羅的に理解又は確認したいとお考えならご購入してみるのもいいと思います。

個人的な評点(100点満点)

 初見で新たな発見があったか? 70/100点

 頻繁に読み返す機会があるか? 85/100点

 初心者にお勧めできる書籍か? 60/100点

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