こんにちはピートです。皆さんは、税金について分からないことがあったらどのように調べていますか?
・ネットで検索する(「国税庁HP」や「弁護士・会計士・税理士のブログ」)
・YouTube(専門家のチャンネル)
代表的なものは上記2つだと思います。僕も手軽に調べられるので重宝しています。
あと定期的に専門書も購入しています。
本来なら条文や判例から結論を導く必要があるのですが、毎回となると時間がないですからね。。
僕は今年から「会社員」に逆戻りしていますが、細々と「税理士業務」も継続しています。
「給与所得」が今の僕の所得金額の大半を占めますが、税理士業務は「事業所得」「雑所得」どちらに該当するのか疑問に感じています。
ということで、僕の状況に照らし合わせて考えてみたいと思います。皆さんと状況が異なりますので、全ての人に当てはまるとは思いませんが、一つの参考にして頂ければと思います。
悩んだ場合は「所轄税務署」や「顧問税理士」にご相談することはお勧めします!
・「事業所得」と「雑所得」の区分に悩んでいる方で「一つの考え」を知りたい方
「事業所得」と「雑所得」について
事業所得の定義
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。ただし、 不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は事業所得ではなく、原則として不動産所得や山林所得になります。(国税庁HPより)
雑所得の定義
雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。(国税庁HPより)
考察
正直「なんのこっちゃ」って思いませんか??
残念ながら条文では具体的な事例などが明確にされていませんので、自分なりの考察をしていきます。
条文で判断できないことを自分の事例に照らし合わせて、
判断するのが大切ですね!
「事業所得」の代表的なメリット
- 給与所得等との損益通算
- 純損失の3年間の繰越し
- 青色申告特別控除(55万~65万)
- 青色事業者専従者給与
特に「給与所得等との損益通算」「青色申告特別控除」が大きいです。
前者の場合は、「事業所得で生じた赤字を給与所得と相殺することができる」ので、それだけでお給料で源泉徴収された所得税の還付が見込まれ、それに比例して「住民税の節税」にも繋がります。
後者は、55万~65万を「追加で経費」とすることができるのでこちらも美味しいですね!
僕の場合は、今年は税理士事業の所得が「マイナス」となる見込みです。。
事業所得の判断基準と判例
判断基準
- 自己の計算と危険があるか?
- 独立して営まれているか?(独立性の有無)
- 営利性・有償性を有しているか?
- 反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務か?
上記を頭の片隅に置いて、以下の判例を見てみましょう。
片手間ではなくリスクをもって継続的に事業を行っているイメージ??
判例は「TAINS」とサイトで検索しています。
「税理士登録している者」が会員になることができます。「22,186円/年」ほどの会費が必要となりますが、とても役に立つので税理士の方は登録して損はないと思います!
また、何件も有用な判例がありましたが、今回は僕の事例に当てはまりそうなものをピックアップしています。(後日、判例を追加するかもしれません。)
判例①「貸金業での受取利息を雑所得と認定」
(TAINS:Z135-5318、Z144-5499)
- 3年間で数十億円の多額の貸付あり
- 貸付先は親類や知人等の取引先
- 低金利・無担保、また一部の利息の支払免除
上記事情を考慮して、総合的に「独立性」「有償性」「営利性」がないと判断されました。(=「雑所得」として認定。)
これはなんとなくイメージがつきやすいですよね。たしかに事業規模は大きいですが、第三者に対する貸付の場合にこのような優遇をするか?と、経済性を鑑みておかしいと感じます。
これが通常の利息を徴収していれば事業所得で問題なかったと推測します。
判例②「給与所得との相殺が認めらなかった事例」
(TAINS:Z266-12791、Z266-12895、Z267-12959)
- 「800万円/年」以上の「給与収入」
- 鍛冶業(事業所得として申告)による毎年の収入は「数万円」
- 確定申告において「事業所得」として「△400万円/年」以上の損失
- 「広告宣伝」を行っておらず、ブログを通じて依頼があれば受け付けている。
- 税務調査時でも火縄銃を製造する技術を有しておらず、現実に火縄銃の製造・販売を行ったことがない
「独立性」「営利性」「有償性」を有していないと判断されました。(=「雑所得」として認定。)
客観的に見て、事業ではなく「趣味」のように感じます。趣味で生じた経費を給与所得と相殺しているイメージを受けますね。
仕事のない時に「片手間」に行っていたことに過ぎないとも考えられています。
「社会的地位」も客観的に認められないとの判断ですね。
判例③「給与所得者が営むネイルサロン業が雑所得と認定」
(TAINS:F0-1-900)
- ネイルサロン業で3年連続して多額の損失
- 上記損失を改善するような取組み(広告宣伝など)を行っていない
- 合わせて、事業計画の策定などを行っていない
- 勤務先から安定した給与を得ておりそれにより生活が安定していた
- ネイルサロン業は勤務先の業務に支障をきたさない範囲であった
上記理由により「営利性などが乏しい」と判断されて、「雑所得」として認定されました。
これも目的が「給与所得との相殺」と考えられても、
おかしくはないですね。
ピートの事例
- 「給与所得」が生活の基盤
- 税理士業は主に知人などからの委任が中心
- 会社員のため時間がなく、積極的な営業活動を行っていない。
- 税理士業での収入は給与所得の20%ほど
上記を勘案した場合、今のままでは「雑所得」として認定される可能性がありますよね。
逆を言うと、真剣に税理士業を行っていきたいと考えた場合は、
「事業所得」の要件に当てはまるということですね。。
まとめ
一律で判断することは難しく、総合的に社会通念に従って「事業所得」「雑所得」の判断を行います。
個々の事情により異なりますので、「所轄税務署」や「顧問税理士」にご相談の上慎重に判断することをおススメします。
逆にいうと「事業所得」に該当するようにエビデンスを残したり、そのための行動を起こせばいいわけですね!!