こんにちはピートです。昨今のコロナ渦の影響で、得意先、グループ会社又は他の支店などとの打合せをオンラインで行う機会も増えてきましたが、それでも対面で行われるケースは頻繁にあると思います。
さて、その際には「手土産」を持参することが多々あると思いますが、その代金を会計及び税務上は「交際費」にしていることかと思います。
感覚的にも手土産代は交際費に該当することは分かっている人が多いと思います。
さて、今回は「手土産代」の税務上の処理について考えてみたいと思います。また、交際費ではなく他の科目(損金算入)で処理できる余地がないかも合わせて考えてみたいと思います。
- 手土産を持って打合せをする機会が多い会社
交際費に計上する考え方
条文
交際費等とは、得意先、仕入先その他事業に関係ある者に対する接待、供応、金品の贈与その他これらに類する行為のために支出する費用(措法61の4④)
解釈
上記条文に当てはめると、「手土産」は交際費に該当することはお分かりだと思います。
「お中元」又は「お歳暮」などの贈答品と似たイメージでしょうか。
会議費に計上する考え方
条文
得意先等との飲食、金品の贈与であっても得意先等との業務に関する会議、商談、打合せ等に際しての茶菓、弁当等の飲食物の提供は、通常要する程度の費用であれば会議費として認められる。(施令37の5②ニ、措通61の4(1)-21)
解釈
手土産が、得意先等との打合せ等において茶菓子として提供されたものであれば「会議費」に該当すると考えられます。
また「通常要する費用」とありますが、これは不相当に高額なものなどを認められないことを意図していると推測します。
正直そこまで神経質に考える必要はないと思いますが、例えば必要以上の数の手土産を購入した場合は認められない可能性はあると考えています。
客観的にみておかしいと感じなければ問題ないとは思います。
私見
一般的に「手土産」は、提供を受けた会社は従業員に配って消費するものだと思います。
僕も社内にいるときはよくお裾分けを頂いています。
ですので、そのような場合は「打合せに際しての茶菓子」とは言えないので「交際費」に該当するものと考えます。
ただ、一部打合せに際しての茶菓子として消費して、残りを提供された会社の従業員で消費するケースも多々あると思います。
そのような場合の処理を考えてみたいと思います。
全額交際費
お勧め度:★★★★☆
多くの会社がこの方法を取っていると思います。
そもそも、打合せに際して消費されたものかの管理などは実務上難しく、そのような手間を考えたら交際費に計上しておくのが無難であると考えるのが一般的ではないでしょうか。
とくに規模の大きい会社などでは、管理することはできないですよね。。
打合せで消費した分を会議費(残りは交際費)
お勧め度:★☆☆☆☆
20個入りのクッキーを10個会議で消費したので、50%を会議費に計上して50%を交際費に計上する、、、といった処理も考えられます。
ただ、わざわざそのような処理をするのは実務上困難で、どのくらい打合せで消費したのかは客観的に証明するのみ困難だと個人的に思っています。
会議の議事録にわざわざ何個消費したのを記載するのも変な話ですよね。
写真をとってエビデンスにする方法も現実的ではないですよね。
打合せで消費するのが主目的ならば会議費
お勧め度:★★★★☆
打合せで消費することが主目的であれば、例え残りを提供された会社の従業員で消費されたとしても簡便的に全額会議費に計上する方法です。
客観的に証明する方法として議事録にその旨を記載することも考えられますが、そもそも会議で毎回議事録を作るわけではないと思うので難しいと考えられます。
ですので、「打合せのための茶菓子代」の場合はその旨を経費精算の際に記載してもらい、仕訳時に摘要欄にその旨を明記する「社内ルール」を作成するのは如何でしょうか?
これだけでは客観的なエビデンス資料がないという考え方もあるかと思いますが、僕は税務調査の際に説明すれば認められる可能性はあると考えています。
まとめ
このように「手土産代」一つをとっても、考え方とルールを整備すれば処理が変わることも考えられます。
税務はグレーな部分が多々あることは皆さん承知だと思いますが、それをどのように説明するかが会社及び税理士の腕の見せ所だと思っています。